Philosophy|いふくとの哲学
いふくとの、はじまりのはじまり

服は安心できるものでなければならない、
と思ったのは5歳のときでした。
親から用意されたお出かけの服を、
どうしても着たくなかったんです。
そのときは、最大限に抵抗するも着るしかない状況で「こんなのわたしじゃない」と思い、
着ている間はとても居心地が悪かったのを、今でも鮮明に覚えています。
それから「わたしが安心できる服はどこにあるんだろう?」「わたしらしい服ってなんだろう?」と問いを立て、探し続けました。
つつむ服

わたしを目覚めさせ、慈しむ服。
そんな理想に辿り着いたのは、ある春の日。
シャツとスカートを繋ぐ行為は、分断された日常を一枚の布で繋ぎ直すことでもあります。
身体を預ける信頼のデザインは、社会人としての役割を脱ぎ捨て、ただ一つの存在に戻るために必要な過程でした。
「自分を隠す」のではなく「自分を慈しむ」ための解放的なシルエットを。 呼吸が深くなる、あなただけの居場所を仕立てます。
感性、感覚、感情をつつむ

着た時の安心感と、背筋が伸びる凛とした美しさ。
それは、たっぷりの布地にギャザーを寄せ、襟や袖のカフスといった細部まで一針ずつこだわっているからです。
甘さと清らかさを足し引きした一着は、役割を脱ぎ「わたし」に還るための詩的な装置。
内側に渦巻く感情さえも愛おしく、慈しめるように。 いふくとは、あなたの感性にそっと触れる衣服を、手仕事で大切にお届けします。
わたしの小さな声をそっと掬いあげる。

お休みの日にゆっくりと自分のためだけに使えるカフェでのひと時や、
旅先で感じる解放感は、きっと感性、感覚、感情をゆるしている時間は、すこしだけ自分に優しくなれて、自分の輪郭がそっと整う感じがする。
いふくとは、社会に出る前の自分の身体、存在を撫でてあげられるようなそんな衣服を仕立てています。だから旅に出なくても旅をしているような、わたしの身体に居場所を与える小さな安心感があるのです。
カテゴリ、記号に縛られない。

社会や、会社や、家庭の一部ではない、ただの”わたし”に還るための衣服を。
「こうあるべき」ではなく「こうしたい」を小さくかなえる一歩を踏み出せるように。
いまのままだと願いがかなわない社会の仕組みもまだまだあるけど、わたしをほっとさせる、安心できる居場所をつくりたい。
あなたという存在をいふくとでつなげて、わたしたちが集まって、わたしたちという大きな輪として歩んでいきたいと思っています。
わたしだけの衣服、あなただけの衣服(セミオーダー)

丈や袖、サイズをお好みに調整できるセミオーダーを承っています。
ゆったりとした設計ながら、凛とした美しさを損なわないデザインは、体型や年代を問わず、マタニティ期からその後の日常まで寄り添います。
「そのとき」だけでなく、人生の様々な変化を共に歩み、ずっと愛される一着であってほしいから。 既存の服のサイズ感から、袖やスカート丈を合わせることも可能です。
あなただけの心地よいバランスを、一緒に見つけましょう
長く着られる服、育てる服(素材について)

いふくとの衣服は、リネンや貝ボタン、シルク糸など、すべて自然に還る素材で仕立てています 。
「育つ布」と呼ばれるリネンは、着込むほどに肌に馴染み、唯一無二の風合いへと変化します。
その過程を楽しみ、あなたと共に時を重ねるアンティークのような存在になれたら。
長く愛していただきたいから、ほつれやサイズ直しも承ります 。地球にも身体にも優しい選択を、一着に込めて
環境にやさしい選択、身体にやさしい選択

消費が加速する社会で「何を選ぶか」は、大切な意思表示です。
いふくとは、化学繊維を使わず自然素材のみで仕立てる道を選びました。
肌への刺激を抑えるだけでなく、役目を終えた後は土に還り、微生物の命を繋ぐ循環を目指しています 。
着る人と地球、そのどちらにも嘘のない選択を。 袖を通した瞬間、きっと少しだけ呼吸が深くなる。そんなやさしい衣服を届けます
いふくとの願い|服でみんなの居場所をつくる

服には、自尊心を育て、存在を健やかにする力があると信じています。
初めて自作の服を着た時の、いのちを預けるような心地よさ。
あの夢中で針を進めた喜びを胸に、今も手を動かし続けています。
一着の服が自分を支え、やがて「私たち」という大きな輪になって、社会全体が優しい居場所になりますように。
この小さな一歩を共に歩んでいきたい。それがいふくとの願いです。
